冷蔵庫は蝿帳だった…
●聞く人/yasubei
●話す人/M.I

昭和34年代の日本を再現しようとしたのは?

34年頃の日本は、本格的な高度経済成長時代の足音が聞こえてくるまでには 少し時間があって、ゆったりと時間が流れていました。 メディアも白黒テレビが裕福な家庭には増えてきたけれど、 基本的には、まだラジオが主流だったし、電気冷蔵庫もなくて 蝿帳(はいちょう)という四角い箱に網を取り付けた 入れ物を、風通しの良い場所に置いて、 残った食品を保存したり… 不便ではあったけど、その分、 穏やかでやさしい時間にあふれていた、そんな日本の環境観を その時代を知る人にも、知らない人にも 味わってもらえればということで開発を決定したわけです。

おだやかだけど、コンビニや携帯電話、テレビゲームもなくて 不便な時代ですよね

キャッシング、予約、宅配、マルチメディア等々 通信リンクは殆ど皆無の時代… 確かに、今の人たちが、当時の環境へ 飛ばされたら半日も持たないかも… 携帯どころか、例えば名古屋から東京へ 電話をかけるにも相手につながるには20分ほど 時間が必要だったしね。

えっ? そんなに〜?

当時の長距離電話は 、最寄りの駅に常設されていた長距離用電話受付で申し込みをする必要がありました。交換に電話をして交換手に先方の電話番号を伝え 電話をいったん切って待ち、再び交換から電話が掛かり 「先方に繋ぎましたのでお話をどうぞ」という指示を 受けてから話をしたんです。

どうして?

自動交換機という仕組みが無かったからですね。 したがって、話が終わったら受付が交換に電話をして料金を聞いて 通話料金を支払って完了するんだけど 駅まで遠い場合や交換が混んでいる時は 半日仕事になってしまうことも、あったみたいですよ。

信じられない〜どうしてみんな文句いわないの?

例えば鉄道でも名古屋から東京まで8時間近く かかった時代だからね。 それでも、ありがたいと言うか…あたりまえだったというか… ゆったり構えているのが、当時の人の仕事だったのかもしれないね。

では、では今回のCD-ROMのおすすめは のんびりと漂うみたいな…?

「漂う」という表現はぴったりかも! とくに、何をしなければならないという特別なルールも いっさいなくて、まあ強いて言えば 、ちんたらするのが目的でありテーマみたいな… 僕なんかは綿密に設計されたドラマ系よりも そういった人工的な部分をかなり希薄にして自由度を高めた方が 楽しいと思うし好きだし、 デベロッパーサイトの考えが前に出過ぎるのはちょっとね…

歌舞伎的手法

これは非売品ですよね… プレゼント専用にした理由は

このゲームは販売してもきっと売れないと思ったんで…

そんな〜yasubeiはそうは思わないけど…絶対たのしいですよ!!

たのしくないから売れないのではなく 「知られていないたのしさ」だからでしょうね。 とくに、歌舞伎的手法はなかなか最近の人には理解されないです

歌舞伎的手法?

歌舞伎や能楽は動きがスローですよね

…yasubeiには止まってみえますぅ〜

ところがあのスローな動きには 人間の性質や生理が巧みにに計算されていて見ているうちに あの、速度に感性がマッチしてくると 歌舞伎役者が早い動きをしたときは すごく早く動いたように感じるようになるんです。

そうなんだ! でも、その速度に慣れてくる前に わたしたちは眠くなってしまうわけね!

その効果を感じ取れる前に 、先入観があるでしょう。 邦楽イコール退屈…

うんうん、確かに

新しいコンテンツジャンルだから、くそゲーと言われようが ユーザーの方々へのプレゼンテーションとして ぶつけてみようということで、今回のMY5・CD-ROMは 企画されたのです。

よけいなお世話印のパーツを
パッと切りとって自由度アップ!

新しいゲームジャンルは「漂い系」ですね。

いいね! 漂い系!! よ〜し本当に漂流をテーマにした ゲームを考えてみようかな! 気ままにストーリーを想い描きながら 希望ヶ崎の街をちんたら歩く… そして、時々散らばっている イベントをつなげて、きらりと光る 自分だけの素敵なオリジナルストーリーを つくっていただければ嬉しいですね。

わくわくしますね!

もし売っていたら、僕自身絶対買おうとするゲームです。

それじゃ期待もおおきく膨らんだところで、 今回の締めくくりを

先だっても、春一番が 今年は吹かなかったということが話題になってたけど データ的には気圧配置、風速、風向、期間などの 気象マニュアルに当てはまっていなくても 「春一番」のように日本人の感性にふれるテーマに対しては もっと柔軟な心を持って対応してもいいと思うのになぁ〜と思います。 その発表のちょっと前に吹いていた風は、北よりの風だったけど 、ちゃんと春の気配を感じられたし、せっかく風に乗って届いた春のメッセージは無視できない。 …というわけで、今回のゲームの主題は、「漂い系! そして 柔軟に遊ぼう」ということに決定!

M.I氏はこんな人(レジュメ)

任天堂のファミリーコンピュータが発売されるはるか前に
すでにときめき系のシュミレーションゲームや
RPGをパソコンソフトで制作していた。
また、インターネットの原型になる ネットワーク型
コンピュータ通信システムのテストを
今から30年前にすでに行っていたというから驚き!
(M.I氏によればネットワークまでは無理でも、
プログラムデータをオーディオ・テープでセーブ・ロードした時代の人なら
テープレコーダーと電話回線をつかって
情報をやりとりした経験者はいくらでもいるということです)
今回のコンテンツでは各パートの総指揮を担当。

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